萩生田光一経済産業相は18日の閣議後会見で、ウクライナ情勢の悪化を受けて経済産業省内に「戦略物資エネルギーサプライチェーン対策本部」を設置することを公表した。ロシアのウクライナ侵攻で供給不安に陥る戦略物資に関して、早急に対応策を取りまとめるよう指示した。すでに原油などのエネルギーや、自動車に使用される一部のレアメタル(希少金属)の確保に支障が出ているケースも見られ、国としても速やかな対応を講じる考えだ。
岸田文雄首相の指示を受け、対策本部を設置する。本部は経産省内に置くが、関連省庁からのオブザーバーも配置し、省庁横断で対応を進める。
新型コロナウイルスの感染拡大によるロックダウン(都市封鎖)などで、自動車産業は広い範囲で供給網に支障が出ている。足元では、ウクライナ侵攻を続けるロシアへの経済制裁措置の影響で、自動車の排ガス触媒などに使われるパラジウムなどの供給不足が懸念されている。
原油などのエネルギー物質の供給網不安に関してはすでに市場や産業にも影響が出ており、14日時点でのレギュラーガソリン店頭価格の全国平均は1㍑当たり175.2円となり10週連続で値上がりとなった。
対策本部では、これらを含む経済・産業活動に不可欠な材料や部品の流通を維持できるよう、供給網の脆弱性の解消に取り組むとみられる。萩生田経産相は「グローバルのサプライチェーンを維持できるよう取り組む」と、設置の狙いを話した。
※日刊自動車新聞2022年(令和4年)3月19日号より