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自動車業界トピックス

経産省、複数コンピューターを一体化した次世代情報処理サービスの基盤構築に着手

経済産業省は、複数のコンピューターを一体化した情報処理サービス「次世代情報処理基盤」の構築に乗り出す。ユーザーが用途に応じて特定のコンピューターを使い分ける現在の形態から、多様なコンピューターを集約した基盤を通じて各利用ユーザーに適したサービスを提供できる形態への転換を図る。「レベル4」(特定条件下における完全自動運転)以上の自動運転では大量のデータを用いるため膨大な計算能力が必要になる。将来の自動運転社会を実現する上でも重要な役割を果たすことになりそうだ。

複数のコンピューターを集約した基盤構築に取り組む(写真はイメージ)

技術やサービスの高度化で人工知能(AI)の活用が進み、AIに求められる計算量は年々増している。自動車の領域では、レベル4以上の自動運転において画像解析や動作判断でAIが果たす役割が大きいほか、商用車での物流や配送の効率化など現在のコンピューターでは解けない計算需要も少なくないという。また、AIコンピューターや量子コンピューターなど高度な計算ができる機器の数は限られており、ニーズに対して計算資源の供給が圧倒的に不足している。必要な計算がタイムリーにできない現在の状況は、自動車をはじめとするものづくりの弊害になりかねない。

この状況を踏まえ、経産省は次世代情報処理基盤の開発に取り組む。クラウド上に高性能コンピューターを含む多様な計算能力を持つネットワークを集約した情報処理基盤を設ける。利用者のニーズに応じた情報サービスを提供する代わりにフィードバックを求め、それをシステムに反映することでサービスの向上を図るエコシステムを形成する。

実現に向け、コンピューターなどに搭載する半導体の国内生産体制を強化するほか、次世代コンピューターのアーキテクチャー設計のための技術開発支援に取り組む。

基盤の方向性や具体的な戦略は今後、有識者や大手部品メーカーを交えた会議で詰める。

※日刊自動車新聞2022年(令和4年)7月21日号より