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自動車業界トピックス

経産省の2024年度概算要求、GX促進を重点に過去最高の2兆4615億円

CEV関連は5倍へ

蓄電池や部素材の製造基盤を強化する

経済産業省の2024年度概算要求額は、脱炭素化に向けたグリーントランスフォーメーション(GX)促進などを重点に過去最高の2兆4615億円になった。クリーンエネルギー自動車(CEV)導入促進予算は、前年度当初の200億円から1076億円へと5倍に増やし、充電・水素充てん設備の導入支援予算も205億円へと倍増させた。蓄電池や部素材の製造基盤を強化するための支援経費も新規に盛り込んだ。

一般会計は前年度当初予算比22.6%増の4286億円。エネルギー特別会計(7820億円)や、経産省関連の「GX推進対策費」(1兆985億円)などを含めた要求総額は2兆円を超えた。

CEV補助金では、50年カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の実現に向け、電気自動車(EV)など電動車両の普及に弾みをつけるため大幅に増やす。また、充電インフラの本格整備や、水素を大量に使う商用車向けを想定して水素充てん設備の開発や普及にも取り組む。

蓄電池関連の要求予算額は5017億円。このうち、新規事業の「製造サプライチェーン(供給網)強靭化事業」に4958億円を、蓄電池などの商品力強化に向けた基盤整備・実証事業に17億円を充てる。継続事業として「EV用革新型蓄電池技術開発」(24億円)、「次世代全固体蓄電池材料の評価・基盤技術の開発事業」(18億円)もそれぞれ求めた。

半導体関連の予算要求額は1230億円だ。経済安全保障の観点から半導体サプライチェーンの強靭化支援として、新規に1078億円を要求する。また、半導体工場立地に伴う水需要の増加などに対応した工業用水道事業費を47億円と倍増させた。ラピダスなどを念頭に置いているとみられる。

CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)の進展を踏まえた「自動車部品サプライヤー事業転換支援事業」は1億円増やして7億円を要求する。

中小企業支援の要求予算額も増やした。「物流の2024年問題」に対応するための自動化・IT化の推進支援など、人手不足への対応や賃上げ、人への投資に65億円を計上した。事業再構築や投資環境の整備に1143億円、物価上昇対応などにも190億円を求めた。

※日刊自動車新聞2023年(令和5年)9月4日号より