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自動車業界トピックス

自動車メーカーの2023年4~12月期決算スタート

HV人気が追い風 米中市場には懸念も

おおむね好業績が見込まれるが課題も…(イメージ)

自動車メーカーの2023年4~12月期決算発表が1日、スタートした。半導体不足の解消で生産台数が上向いていることに加え、円安傾向も続いており、好決算が相次いだ4~9月期と同様の展開が予想されそうだ。燃料高によりハイブリッド車(HV)人気が世界で高まっていることも日本メーカーには追い風だ。ただ、中国事業の立て直しや米国の労務費上昇といった課題もある。通期の業績見通しは今年の事業環境について、各社の首脳がどのような見通しを示すか注目される。

自動車メーカーの業績を押し上げる円安効果は健在だ。4~9月決算時には通期の想定レートを1㌦=140円前後に修正した企業が多かった。各社の保守的な想定レートに反し、10月以降も円安は続き、足元は140円代半ばから140円代後半で推移する。今回の決算でも業績の上振れ要因になる余地がある。

 HVの販売が好調なことも好材料だ。急速な電気自動車(EV)シフトに舵を切った北米や欧州では早くも踊り場を迎えているとの見方が強まっている。特に米国では充電のストレスがなく、価格も手ごろなHVの人気が高まっており、燃費改善効果の大きいストロングHVをそろえるトヨタ自動車やホンダの販売が好調だ。

ただ、経営の重しになっている課題もある。特に中国事業は低迷が続いており、本格的な回復の兆しはいまだ見えない。ドル箱市場である米国の労務費上昇も懸念材料だ。

日本では、1月に起きた能登半島地震の影響が完成車生産にもじわりと影響しつつある。日本車のシェアが高いタイでも、自動車ローン審査の厳格化による需要減と中国メーカーの攻勢で販売競争が激しい。

トヨタをはじめ、おおむね好業績が見込まれる今回の決算発表だが、国・地域による事業環境のばらつきは大きい。こうした状況を通期の業績予想や台数計画にどのように織り込むのか注目される。

自動車メーカーの決算は1日の三菱自動車、日野自動車を皮切りに始まり、ヤマハ発動機が23年12月期決算を発表する14日まで続く。

※日刊自動車新聞2024年(令和6年)2月2日号より