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自動車業界トピックス

自動車メーカー各社、ロシア駐在の日本人社員に一時帰国を指示

外務省の危険情報引き上げで

外務省が7日にロシア全域の危険情報を渡航中止勧告の「レベル3」に引き上げて在留邦人の商用便による出国の検討を呼びかけたことを受け、自動車メーカーでもロシアの現地法人などに出向している日本人社員に一時帰国を指示する動きが相次いでいる。政府としても「ロシアの状況に細心の注意を払い、機敏に対応して在留邦人の安全確保に万全を期していく」(松野博一官房長官)考えだ。ロシアから帰国する日本人については、新型コロナウイルス感染症の水際対策とは別枠で対応する。

日本を「非友好国」と位置付けるなど、日ロ間でも緊張が高まっている(写真は日産のサンクトペテルブルク工場)

危険情報レベル3は、4段階で2番目に厳しい。同省によると、ロシアにおける在留邦人数は6日時点の在留届けベースで約2400人。「(ロシアから)帰国を希望する邦人が日本に帰国できるよう政府としてしっかりと対応していく」(松野官房長官)方針だ。

トヨタ自動車は7日、ロシアの事業所に出向している日本人社員とその家族ら計48人を順次一時帰国させることを明らかにした。日産自動車も、出向している数人の日本人社員に帰国の手配をするよう指示した。マツダでは、6人の日本人駐在員の国外への一時退避に向けて動いている。

三菱自動車は、約10人の日本人駐在員の一時退避を始めており、すでに数人は国外に退避済みだ。スバルでは、7日までに数人の日本人駐在員がロシアから帰国した。現地に残っている数人も随時、帰国措置を進めている。いすゞ自動車では、すでに2人の日本人駐在員が日本に帰国したという。

スズキ、三菱ふそうトラック・バスは、ロシアに出向している日本人駐在員がいない。

政府は新型コロナウイルスの水際対策で、来週から1日当たりの入国者数上限を現在の5千人から7千人に引き上げる予定だ。ロシアからの日本人帰国者については、基本的に水際対策とは別枠で対応する。

7日には3回目となるウクライナとロシアの停戦交渉が行われたものの合意に至らず、ウクライナ情勢の緊迫化が続く。松野官房長官は8日の記者会見で、ロシアが日本を「非友好国」と位置付けたことについて遺憾であるとし、ロシア側に抗議を行ったことを明らかにした。日本国民や企業の正当な利益が損なわれないよう求めた。この影響については「内容の精査を行っており、現時点で述べることは差し控えたい」と話した。

※日刊自動車新聞2022年(令和4年)3月9日号より