自動車メーカー14社は1日、入社式を開いた。100年に1度の変革期とされる自動車業界に飛び込んできた新入社員に各社のトップが前向きな言葉を投げかけた。
トヨタ自動車は、愛知県豊田市の本社で入社式を開いた。新卒採用社員約1470人が出席し、キャリア入社者約430人もリモート参加した。佐藤恒治社長は「ようこそトヨタへ。一緒にクルマの未来を変えていこう」と呼び掛けた。会場では、各カンパニーや車両生産工場を代表する車両を展示。佐藤社長は「クルマ屋の会社に入ったことを実感する1日であってほしい」と語った。クルマ開発センターに配属される佐々木孝輔さんは「世界のどんな環境下でも安全に使用でき、多くの人に楽しまれるクルマを作りたい」と決意を述べた。
日産自動車には828人の新入社員が仲間入りした。内田誠社長は「日産は昨年90周年を迎えた。その中で培った経験・技術力は財産だが、それだけを頼りに新たな価値の創造はできない。既成概念にとらわれない発想や豊かな感性、そこから生まれる気づきは大きな原動力になる。遠慮なく、意見を積極的に発信してほしい」と語りかけた。
ホンダには772人が入社した。栃木県宇都宮市のマロニエプラザで開いた入社式で三部敏宏社長は「ホンダの強みは、やはり夢への挑戦と、それを生み出し実行する人なんだ!という事。リスクを恐れずチャレンジし、そこから生み出されたものは、我々の勝ち技になる」と語った。
マツダは、608名の新入社員を迎え入れた。マツダ体育館(広島市南区)で開いた。毛籠勝弘社長は「今後もマツダがお客さまに選ばれ続けるため、前向きに今日を生きる人の輪を広げていくため、皆さんにはフレッシュな原動力になっていただきたい」と新入社員を歓迎した。
ダイハツ工業は、本社(大阪府池田市)で入社式を開いた。新入社員は事務系27人、技術系101人、技能系108人の計236人。井上雅宏社長は「認証不正により、皆さんとご家族に大変ご心配をおかけしていることを深くお詫び申し上げる」とした上で「ダイハツは今、変わろうとしている。そのためには皆さんの力が必要だ。皆さんが企画、開発、生産などしたクルマがあらゆる場所で走り回る日が必ずやってくる。本音で話し、それに向かって一緒に頑張りましょう」と決意を示した。
三菱自動車は岡崎製作所(愛知県岡崎市)で入社式を開催した。加藤隆雄社長は「これからの時代は車の販売のみではなく、周辺ビジネスにもチャレンジする必要がある。皆さんにもそうした新しいチャレンジ、ビジネスをけん引していけるような力になってほしい」と活躍を願った。三菱ふそうトラック・バスは、ウェスティンホテル横浜(横浜市西区)で入社式を開き、215人の新入社員が出席した。カール・デッペン社長兼最高経営責任者(CEO)はビデオメッセージで「ふそうに新しいエネルギーとアイデア、前向きな変化をもたらしてくれることを願っている」と祝辞を述べた。
ヤマハ発動機には306人が入社した。日髙祥博社長は「『健康、安全、コンプライアンスが第一』という会社方針を忘れないでほしい。また皆さん自身が幸せに生きるために仕事の時間価値向上に取り組んでほしい」と語った。 いすゞ自動車は、藤沢工場(神奈川県藤沢市)のものづくりサービストレーニングセンターと同工場の新事務棟、栃木工場(栃木県栃木市)で入社式を行った。262人の新入社員が出席した。南真介社長は「まもなく2030年を見据えた新たな中期経営計画を発表する。その実現に向け、社員と会社が相互成長を果たし、より強い会社を作り、『地球の運ぶ』を創造していきましょう」と述べた。
UDトラックスは本社(埼玉県上尾市)と各地の拠点をオンラインでつないで入社式を開いた。141人の新入社員を前に丸山浩二社長は「皆さんの配属をたくさんの先輩が心待ちにしている。ぜひ前向きに元気に職場に入ってきてほしい」と語った。
日野自動車には154人が入社した。小木曽聡社長は「カーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)や物流の2024年問題など課題がたくさん目の前にある。豊かで住みよい世界と未来に貢献するのが日野の使命だ」と強調した。
川崎重工業の入社式には、342人(このうちカワサキモータースが53人)の新入社員が出席した。橋本康彦社長は「創業者の志を大切に、チャンスを生かし自らの夢、社会に対して『信頼のこたえ』を提供する人材に成長してほしい」とエールを送った。
※日刊自動車新聞2024年(令和6年)4月2日号より