日刊自動車新聞社が自動車・二輪車メーカーを対象に行った2023年度新卒採用アンケート(23年4月入社)によると、調査対象14社の半数に当たる7社が「前年度より増やす」と回答した。22年度採用(22年4月入社)でも同数の会社が前年度より採用を増やしており、各社、電動化や自動運転、サイバーセキュリティーなどの領域で人材を求める傾向が強まっている。今年は航空産業などがコロナ禍でいったん抑えた採用を再開していることもあり、他産業との人材獲得競争が激しくなりそうだ。
アンケートは日本自動車工業会(豊田章男会長)会員企業を対象に3~4月上旬にかけ実施し、全14社から回答を得た。23年4月入社の採用数を「増やす」と回答したのは日産自動車、ホンダ、三菱自動車、日野自動車、UDトラックス、三菱ふそうトラック・バス、ヤマハ発動機の7社だった。日産は「ニッサン・インテリジェント・モビリティの実現をより一層加速するため」、ヤマハ発は「将来に向けた新技術開発のため」とし、将来の技術革新に備える。
スズキ、スバル、マツダ、ダイハツ工業、いすゞ自動車の5社は「例年通り」と回答した。このうちダイハツは「電動化対応が急務のため、中途採用を強化」するとし、中途採用も含め、技術系の人材を確保する計画だ。
今年の採用環境は売り手市場か買い手市場かの問いでは、12社が「売り手市場」と回答した。特に技術職を中心に優秀な人材を獲得したいとの意向が強い。今年4月の入社実績ではマツダ、いすゞ、日野が「計画より少ない」と答えており、採用環境は学生優位となっている。
また「航空会社など大手企業が採用活動を再開した今年は売り手市場になると予測する」(三菱ふそう)など、他業種との人材獲得競争が激しくなるとみる傾向が強まっている。
※日刊自動車新聞2022年(令和4年)4月8日号より