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自動車業界トピックス

自動車公取協、2023年夏から会員向けに中古車の支払総額表示に特化した研修開始

事業者の理解促進へ

新制度に基づく価格表示板の一例

自動車公正取引協議会(自動車公取協、倉石誠司会長)は、10月に開始予定の中古車の「支払総額」表示に特化した研修を今夏から会員事業者を対象に実施する。専用のマニュアルを制作し、対面とオンラインの双方の形式に対応できるようにする。全国のブロック単位や都道府県ごとなど、地域の要望に応じて行っていく計画。これまでは、自動車関係団体向けに説明会を行っていた。中古車販売店やディーラーなどの担当者が制度を学べる機会を増やすことで、総額表示への理解を深めて円滑な制度移行につなげる。

自動車公取協は、中古車の販売価格を支払総額に表示するための改正規約・規則の施行を10月に予定している。2022年7月からは日本自動車販売協会連合会(自販連、金子直幹会長)、日本中古自動車販売協会連合会(JU中販連、海津博会長)、日本自動車整備振興会連合会(日整連、竹林武一会長)の北海道から九州までの各ブロックの事務局を対象に説明会を開き、総額表示について理解促進を図ってきた。

新制度を早期に浸透させるため、中古車事業者やディーラー、整備事業者などで中古車を取り扱う担当者にも研修の場を提供することにした。直接研修を行うことで、新たなルールに基づいた展示や広告を徹底させる。また、中古車の販売で実際にユーザーとやり取りする際の適切な商談の実施にもつなげる。

自動車公取協は中古車価格の総額表示の施行に合わせ、新制度に対応した「プライスボード作成システム」の開発やユーザー向けPR動画の公開、ウェブ上に特設ページの開設などを行い周知に努めている。支払総額の表示は、中古車販売に関する大掛かりな規約改正となるため、引き続き会員各社の支援に取り組んでいく方針だ。

※日刊自動車新聞2023年(令和5年)3月6日号より