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自動車業界トピックス

自機工の企業動向調査、24年度の売上高見通し「減少」が増加

設備投資も消極的に

 日本自動車機械器具工業会(自機工、山田勝己理事長)がまとめた会員企業を対象にした2024年度の「企業動向調査」によると、24年度の売上高の見通しが「減少」と回答した割合が前年比24.9㌽増の28.0%だった。一方、「増加」は同24.3㌽減の32.0%、「横ばい」は40.0%で変わらなかった。製品の納入価格を横ばいと見込む企業が多く、主要設備の稼働率も落ち込むとみる企業が増加。今後の整備の事業環境を厳しく見積もる事業者が目立つ結果となった。

半期ごとの経営予測指標の製品販売価格は「増加」の割合が上期34.6%に対し、下期は38.5%で、24年度後半の上昇を見込む事業者が多かった。自機工は「前年から続く円安傾向が収まる兆しが見えないことや、人件費の増加が要因の一端と思われる」と分析している。

設備投資は「横ばい」の割合が、環境対策設備(80.8%)、省エネ設備(88.5%)、生産設備(69.2%)で最も高かった。特に、生産設備では「減少」が19.2%と、設備投資に消極的な傾向が表れている。

23年度実績の売上高は、「増加」が、同9.0㌽増の51.9%で過半数を超えた。主要設備の稼働率は「横ばい」の割合が最も高かったが、製品の納入価格の「増加」が37.0%(前年は39.4%)と上昇傾向が継続している。自機工は「(売上高の増加は)納入価格の上昇が主要因で、法令改正による需要の増加や原材料確保状況の改善なども考えられる」としている。

前回に続き、賃金改善の状況と労働環境面も調査した。23年度に基本給を底上げするベースアップを「実施した」割合は85.7%(前年は68.6%)と高水準だった。賞与改定も「アップを実施」した割合が同16.5㌽増の67.9%となり、賃金改善が図られた。

雇用環境は「どちらかといえば不足感が続いている」と回答した割合が同9.3㌽減の53.6%とやや改善した。こう回答した企業の対応策は「正規雇用で対応」が73.3%と過半数を超えたが、このうち77.8%が「必ずしも採用計画通りには達成されていない」とした。前年の調査に続いて、人材確保の難しさが見える結果になった。

企業動向調査は毎年4月に実施している。今回は23年度末時点の会員企業55社のうち29社(回答率52.7%、前年35社)から回答を得た。

※日刊自動車新聞2024年(令和6年)5月31日号より