自民党議員の有志による「未来社会を創出する、バッテリー等の基盤産業振興議員連盟(バッテリー議連、会長=甘利明衆議院議員)」は1日、国内における電池工場の設備投資支援などを目的とした3兆円の基金創設を、萩生田光一経済産業相に要望した。まずは6月に政府がまとめる「骨太の方針」への要望書の反映を目指す。

バッテリー議連の渡海紀三朗衆議院議員(左)と萩生田経産相

バッテリー議連は要望書内で、2030年に車載用を含む電池の世界市場が3千㌐㍗時に拡大することを想定した場合、国内で150㌐㍗時前後の製造基盤が必要になると説明。実現するには他国に匹敵する政府支援が必要とし、総額3兆円の基金創設を求めた。基金によって、設備投資やリチウムやコバルトといったレアメタルの確保を政府として支援していくべきとした。

このほか、電池の製造工程において二酸化炭素(CO)の排出を抑制できるようなクリーン電力の活用や充電インフラの整備を支援する基金の創設なども要望した。

萩生田経産相は「半導体産業でも言えることだが、日本は技術で先行するものの、生産体制では負けてきた。日本の電池産業が再び国際競争力を確保できるよう取り組んでいく」と述べた。

※日刊自動車新聞2022年(令和4年)6月2日号より