自民党の経済産業部会(岩田和親部会長)と資源自立経済プロジェクトチーム(小泉進次郎常任顧問)は11日、「世界最先端の資源自立経済の実現に向けた成長戦略への提言」を西村明宏環境相と西村康稔経済産業相に提出した。「サーキュラーエコノミー(循環経済)への移行による資源自立経済の確立が喫緊の課題だ」とし、経済成長の一つの柱としてカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)と一体で取り組みを加速させる必要性を訴えた。
提言書では「3R(リデュース・リユース・リサイクル)法制」の抜本的拡充・強化などを産官学で検討することを要望した。資源循環の実現に向けては、循環実態の可視化とトレーサビリティー(追跡性)の確保が必要とし、デジタル技術を活用した情報流通プラットフォームを早期に構築することも求めている。
また、循環配慮設計の標準化を推進するため、製品別の基準を整備する必要性を指摘。特に優れた製品設計については「トップランナー設計」として評価する仕組みの検討も提起した。G7(先進7カ国)の関係閣僚会合や広島サミットを通じ、サーキュラーエコノミーへの移行の重要性を日本から提案し、先進国間の共通理解を深めるなど国際連携の抜本的強化も求めた。
同プロジェクトチームは2022年12月、サーキュラーエコノミーの実現を国家戦略に据えることを目指して自民党経済産業部会内に発足した。年明けから本格的に議論を開始し、23年の政府の骨太方針に反映することを目指している。
※日刊自動車新聞2023年(令和5年)4月13日号より