英国政府は28日、2024年から電気自動車(EV)などのゼロエミッション車(ZEV)の販売を義務化すると発表した。24年は国内で販売する新車の22%以上のZEV販売を義務化し、30年に80%、35年に100%へと段階的に比率を引き上げる。英政府が内燃機関搭載車の販売禁止時期を30年から35年に延期すると20日に発表した後、EVへの投資を進めている自動車メーカーや環境団体から反発や混乱の声も出ていた。

義務化の水準を達成できなかった場合は、目標を達成したメーカーから二酸化炭素(CO)の排出枠を買い取る必要がある。24年は年間目標の最大75%まで排出枠取引で対応できるが、26年にはこの割合を25%まで下げる。

英政府の発表を受けて英国自動車工業会のマイク・ホーズ最高経営責任者(CEO)は「この指令の実現は業界にとって大きな挑戦となる」と、消費者に対するインセンティブの拡充や充電インフラの目標義務化などを求める声明を出した。

2023年1~8月の英国のEV販売は19万3221台で、新車販売に占めるEVの比率は16.4%だった。英政府は公共充電インフラを30年に30万拠点に増やす計画だが、現在4万8100拠点にとどまる。

※日刊自動車新聞2023年(令和5年)9月30日号より