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自動車業界トピックス

道交法改正案が参議院通過、自動運転「レベル4」公道走行可能へ

特定条件下での無人運転による自動運転「レベル4」の車両の公道走行を許可する制度などを盛り込んだ道路交通法改正案が、13日の参議院本会議で可決された。法案は同日、衆議院に送られた。政府は今通常国会での成立を目指している。早ければ、今年度内に限定地域でレベル4の車両を利用した公道上での移動サービスが可能となる見通しだ。過疎地、観光地での移動支援や、物流事業者の人手不足対策などでの活用を想定している。

道交法改正でレベル4の車両を利用した公道上での移動サービスが可能となる見通し(写真は福井県永平寺町での遠隔型自動運転車による実証実験)

改正案では、運転者がいないレベル4相当の自動運転を「特定自動運行」と定義して、従来の「運転」の定義には該当しないものと位置付けた。その上で「特定自動運行の許可制度」を新たに創設した。

特定自動運行による移動サービスを行おうとする事業者は、「特定自動運行計画」を記載した申請書を都道府県公安委員会に提出し、許可を受ける必要がある。都道府県公安委員会は、同計画を基準に従って審査するとともに、国土交通大臣や経路を区域に含む市町村長らからも意見を聴いた上で許可することとなる。

特定自動運行による移動サービスを行う事業者「特定自動運行実施者」は、特定自動運行を遠隔監視する責任者「特定自動運行主任者」を指定し、配置しなければならない(特定自動運行主任者が乗車している場合を除く)。特定自動運行主任者と事故発生時に現場で危険防止措置を行う「現場措置業務実施者」への教育を行うことも求められる。

特定自動運行主任者は、交通事故などで特定自動運行が終了した際、警察官への報告など適切な措置を行う義務がある。

特定自動運行主任者と現場措置業務実施者を務めるための資格要件と教育内容は、現時点で明確に定まっていない。今後、それら要件と交通事故が発生した場合の対応の手順も検討を行い順次定めていく。

行政処分関連では、特定自動運行実施者などに法令違反があれば、都道府県公安委員会による指示と、特定自動運行の許可取り消しや効力停止などができる規定を設けた。特定自動運行で事故があった際、警察署長による許可の効力の仮停止もできることとした。

同日、電動キックボードなど「特定小型原動機付自転車」と自動配送ロボットなど「遠隔操作型小型車」の交通ルールや、運転免許証と個人番号カード(マイナンバーカード)の一体化に関する規定の整備などの改正案も可決。あわせて、警察などに安全確保への取り組み強化を求める附帯決議も可決した。

※日刊自動車新聞2022年(令和4年)4月14日号より