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自動車業界トピックス

電動キックボードなどの特定原付、6割が保安基準不適合

国交省が改修指導

〈不具合箇所〉前照灯、尾灯、後部反射器、最高速度表示灯

規制緩和で普及し始めた電動キックボードなど「特定小型原動機付自転車(特定原付)」で、保安基準に適合しない製品が相次ぎ見つかっている。国土交通省が19車種を現車確認したところ、約6割(12車種)が保安基準に適合していなかった。国交省は、製造事業者に改修を指導するとともに、利用者に対しては保安基準適合性を示す「性能等確認済シール」が車体に貼付されている車両を選ぶよう呼びかけている。

国交省は、インターネットや店頭販売、シェアリングサービスなど、国内で流通している81車種の特定原付を確認し、保安基準の適合性をすでに確認した22車種(2023年10月末時点)を除いた59車種の現車確認を順次、進めている。これまでに把握した保安基準不適合箇所は「灯火器類」が多いが「速度抑制装置」や「バッテリー」もあった。

利用者の不安を払拭しようと、国交省は「性能等確認制度」を22年12月に創設した。保安基準への適合性を確認した特定原付の型式をホームページで公表しているほか、車体には性能等確認済シールが貼ってある。製品を購入する際、このシールの有無を確認したり、商品説明欄に「公道走行不可」などの記載がないかをよく確かめるよう注意喚起している。

〈不具合箇所〉前照灯、尾灯、制動灯、方向指示器

23年7月の規制緩和(改正道路交通法施行)で電動キックボードなどの区分が新設された。しかし、同じような外観の電動キックボードでも、一定の基準を満たした特定原付と、従来の「一般原動機付自転車(原付)」に分かれ、守るべきルールも異なる。また、「電動アシスト自転車」として売られている複数の製品にも、保安基準不適合が確認されているという。国交省は現車確認に基づく製造事業者への指導を続ける一方、関係省庁や関連事業者と連携し、特定原付の安全確保や事故防止に向けた広報活動に取り組む考えだ。

※日刊自動車新聞2024年(令和6年)2月19日号より