日本自動車整備振興会連合会(日整連、竹林武一会長)がまとめた2020年度の「自動車整備白書」によると、20年4月に開始した電子制御装置整備の認証を未取得の事業場のうち「取得しない」と回答した割合が約1割あったことが分かった。取得に前向きな事業場の割合が8割弱と圧倒的だが、新制度に「対応できない」または「しない」と判断した事業者が一定数いる。取得しない理由(複数回答)は「全部外注する」が最多の45.9%、次いで「需要がない」が25.4%で続いた。10.8%は「廃業予定」と回答した。
回答を得た8353事業場で、20年6月末までに認証取得したのはわずか2.7%だった。一方、指定工場5073事業場に限ると全体よりも0.6㌽高い3.3%に増加。国土交通省がまとめた分解整備認証を取得する9万1533事業場のうち電子制御装置整備の認証を取得した割合が0.55%だった実績と比較すると高い結果になった。
業態別の取得率は、専・兼業とディーラーが2.8%と同じ割合で、自家の事業場が0.4%だった。ただ、指定工場に限ると専・兼業が4.1%でディーラーの2.8%を上回り、自家は0.7%で最も低かった。
認証取得が進まないのは、20年3月末までに同等の業務実績がある事業場に24年3月末まで経過措置が適用される影響もある。未取得の8129事業場のうち実績が「ある」と回答した割合は51.1%に上る。ディーラーは94.3%とほぼすべてが実績を有している。
ただ、21年10月に新点検基準の施行を控えており、認証取得に前向きな5983事業場も約7割が施行日までに取得する意向を示している。
調査は専業・兼業とディーラー、自家の3業態を対象に実施して8353事業場から回答を得た。全体に占める割合は専・兼業が57%、ディーラーが37.7%、自家が5.3%の順だった。8353事業場のうち指定工場数は5073だった。
※日刊自動車新聞2021年(令和3年)4月8日号より