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自動車業界トピックス

首都高グループ、首都高走行中のCO2排出量 2030年度までに3割削減

首都高速道路グループは、2030年度の二酸化炭素(CO)排出量を19年度比で約3割削減することを目指す。首都高を走行する自動車交通と事業活動によるCO排出量削減に向けた全12項目のプロジェクトを策定し、技術動向の進捗などに合わせて順次展開する。道路インフラを活用して電気自動車(EV)など電動車の普及を後押しする環境整備も推進し、政府が掲げる50年カーボンニュートラルの実現につなげる。

 首都高を走行する自動車からのCO排出量は、19年度比で約3割減の110万㌧を目指す。次世代移動通信システムの整備と交通データの活用など交通管制の高度化で、交通流の円滑化と渋滞緩和に取り組む。交通の分散を図る新たな出入口の整備・再配備や、新たな都心環状ルートの事業の具体化に向けた検討も行う。

EVの普及を下支えするため、高速道路上だけでなく都市計画駐車場への充電器配備を進めるとともに、高架下駐車場への配備も考える。パーキングエリア(PA)の駐車場や路面などでワイヤレス給電設備の設置も検討する。水素ステーションの設置は燃料電池車(FCV)の普及状況などを見ながら対応していく。

同グループの事業活動によるCO排出量は、19年度比で約5割減の4万㌧を目指す。建設時・維持管理の環境負荷低減に向けた取り組みの一環として、工事など契約手続きでカーボンニュートラルへの取り組み実績や関連する技術提案を受注者選定の評価に組み込む。また、道路照明などのLED化を進めるとともに、首都高で消費する電力の調達は、再生可能エネルギー由来のものを優先的に購入する。首都高グループでも太陽光発電など再エネの発電を推進する。

さらに業務用車両のうち、先行できる車種についてはEVやプラグインハイブリッド車(PHV)などの電動車に順次切り替える。人工知能(AI)技術を活用した定期点検や現場作業の省力化で、道路インフラの効率的な維持管理と業務効率化を推進する。

首都高グループは、これまでの環境ビジョンなどを一本化して「首都高カーボンニュートラル戦略」として抜本的に改定。50年カーボンニュートラル実現に向けて、30年度を中間年次として目指すべき中間目標を設定した。ESG(環境・社会・ガバナンス)に基づく施策も積極的に展開するとともに、資金調達のESG化などにも取り組む。

※日刊自動車新聞2022年(令和4年)6月1日号より