2020年度(20年4月~21年3月)の車名別新車販売で、トヨタ自動車の「ヤリス」が初のトップになった。登録車と軽自動車を合わせた総合ランキングで登録車が1位となるのは4年ぶり。17年度から首位を守ってきたホンダの軽自動車「N―BOX(エヌボックス)」は2位。トヨタ「アルファード」が初めてトップ10入りし、ミニバンの1位だった。20年5月にトヨタの国内販売が全店舗全車種販売に移行したことが車種別の勢力図にも波及した。
ヤリスは1年間を通じて月2万台前後の販売を続け、年度の販売台数が20万2652台を記録した。登録車の総合トップと20万台超えは、16年度に首位となった「プリウス」以来だ。このうち20年8月に投入した小型SUV「ヤリスクロス」が6万4553台。
首位獲得の要因についてトヨタでは「ヤリス、ヤリスクロスそれぞれの特徴がユーザーニーズにマッチしたことで、選んでもらえた」(広報)としている。2位のエヌボックスは前年度比20.1%減の19万7900台で、首位に約5千台届かなかった。
コロナ禍や半導体不足によって新車市場が安定しなかったことに加え、トヨタの併売化が車名別の販売動向に影響を与えた。特にアルファードは、コンスタントに月間1万台を超える販売に拡大。年度の過去最多を16年ぶりに更新した。兄弟車「ヴェルファイア」との合算でも前年度を22.5%上回るなど、上級ミニバン市場の拡大をけん引した。
日本自動車販売協会連合会(自販連、加藤和夫会長)が発表した登録車のみのランキングを見ると、5位までをトヨタが占めた。2位が小型SUV「ライズ」、3位が前年度首位の「カローラ」。4位のアルファードに続き、5位の「ルーミー」も10万台を超えた。トヨタ以外では6位にホンダ「フィット」、8位に同「フリード」、10位に日産自動車「ノート」が入った。
全国軽自動車協会連合会(全軽自協、堀井仁会長)がまとめた軽の車名別ランキングは、エヌボックスが6年連続で1位だった。前年度に引き続きトップ3をスーパーハイトワゴンが占めた。4位のダイハツ工業「ムーヴ」に続き、日産のスーパーハイトワゴン「ルークス」が5位に入った。
3月単月の総合ランキングはヤリスが7カ月連続の首位。5位まで前月と順位の変動がなく、ノートが12カ月ぶりにトップ10入りした。
※日刊自動車新聞2021年(令和3年)4月7日号より