自動車公正取引協議会(自動車公取協)は8日に開いた総会で、中古車価格の支払総額表示を販売店に義務付ける自動車公正競争規約・規則改正案を正式決定した。2023年10月の施行を目指し、今後、消費者庁や公正取引委員会と認定手続の準備に入る。広告や商品に表示した消費税などを含む車両価格に諸費用(保険料や登録料など)を加えた総額で、ユーザーが実際に購入できない場合は「不当表示」として違反事業者に最大500万円の違約金を課す。安値表示で集客し、後で高額な商品をセットで売りつける悪質な行為を抑制する。
自動車公取協は今回の規約改正で、中古車小売りにおける透明性を高める狙い。これまでも一部の販売店が、相場より割安な車両価格で集客し、販売条件として高額な整備パックや保証プランの加入などをユーザーに強いる規約違反が発生している。今回の総額表示に向けた改正案では、車両価格に含めるべき費用の範囲を再定義し、明確化した。今回、中古車価格の表示方法に明確なルールが定まることで、中古車業界の信頼性向上にも役立てていく。
自動車公取協では消費者庁や公取委から23年3月の認定・承認を目指している。新たな規約の施行まで移行期間を設けることで、中古車を取り扱う販売店が余裕をもって車両のプライスボードや広告の価格表示の変更ができるようにする計画だ。
※日刊自動車新聞2022年(令和4年)6月10日号より