経済産業省は、電気自動車(EV)などに支給する補助金の支給要件を2023年度から見直す。840万円(消費税別)を超える車両向けの補助金を2割減額するほか、最大額を補助する条件として省エネルギー法に基づく「トップランナー制度」の対象車であることを追加、台数が極端に少ない輸入車など向けの支給を絞る。富裕層向けの輸入車に支給が偏ったり「本当に必要な人が利用できるようにすべき」などの声が出ていたことに対応する。
「クリーンエネルギー車(CEV)の購入・インフラ補助金」の補助要件を見直す。CEV補助金は軽EVの販売をけん引する原動力にもなった。4月1日以降に新規登録するEV、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)が対象だ、今年度は補助対象のクリーンディーゼル車は除外する。
補助金の上限額は変えず、EVは最大85万円、軽EVとPHVは最大55万円、FCVは最大255万円とする。一方、車両価格が税別で840万円以上の車両は補助額を2割減らす。価格帯に応じて補助額に差を設けている欧州などの事例を参考にした。840万円以上の車両の場合、EVは最大68万円、PHVは最大44万円、FCVは最大204万円を補助する。
また、最大補助額を受け取るための条件も追加する。現在は、外部給電機能を装備していることが条件だが、省エネ法のトップランナー制度の対象車両であることも加える。この制度は、政令で指定した機器のエネルギー消費効率基準を定め、その基準達成をメーカーに求めるもの。輸入台数が極端に少ない一部の海外メーカーなどが対象になりそうだ。
新たな補助要件は、4月1日以降に新規登録・届出をした車両から適用される。新規登録・届出が3月31日までの車両に関しては、22年度当初予算の補助要件が充てられる。
※日刊自動車新聞2023年(令和5年)2月16日号より