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自動車業界トピックス

G7交通大臣会合、「電動車」や「燃料電池」でWP29の重要性を改めて共有

基準調和で日本のリード役に期待

三重県志摩市で行われたG7三重・伊勢志摩交通大臣会合(16~18日)

G7(先進7カ国)交通大臣会合がこのほど閉幕した。共同声明では、国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)の重要性を共有した。WP29副議長のほか、複数の部会などで議長を務める日本にも、電動車の安全技術や脱炭素技術の基準調和をリードする役割が期待される。

過去のG7交通大臣会合でもWP29の重要性は共有され、声明にも盛り込まれてきたが、これまでは主に自動運転を念頭に置いていた。今回の会合では、主要議題の一つに「交通分野での脱炭素化」が初めて取り上げられ、この分野でもWP29の重要性を確認した。

共同声明は「われわれは、安全で透明性が高く、科学的根拠に基づいた技術基準、標準、ガイドラインを推進するために、WP29での取り組みを継続・強化する」とし具体的な領域として「電動車の安全性」「バッテリーの耐久性」「水素燃料電池自動車の安全性」などの分野を例示した。

声明はまた、大気汚染や地球温暖化対策を進めるための車両評価手法についても触れた。自動車分野の高度な脱炭素化を目指すにあたっては、原材料の採取から車両の製造、使用、廃棄・リサイクルまでライフサイクル全体での温室効果ガス(GHG)排出量の評価が重要であることをG7各国で共有した。

バリアフリー化や過疎地対策でも連携する

WP29では、2022年10月に客観的なGHG排出評価手法(LCAモデル)を構築するためのインフォーマルワーキンググループを設置し、日本と韓国が共同議長を務めることになっている。LCA手法のガイドライン案をまとめ、25年1月にもWP29で合意することを目指す。

今回の交通大臣会合ではまた、「バリアフリー化の推進」「地方などでの移動手段の確保」に関する議題も初めて取り上げられた。バリアフリー化については、G7各国で政策や課題、好事例に関する情報を共有する実務者会合を設置する。

また、公共交通の発展・持続性の確保に向け、G7各国の政策などに関する報告書を日本が主導してまとめ、各国の政策づくりに役立てていくことも決めた。

※日刊自動車新聞2023年(令和5年)6月20日号より