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自動車業界トピックス

JARWA、自動車修理「見える化」で認定制度

あいおいニッセイ同和損保の要請受け

車体整備業界の信頼回復につなげる(イメージ)

日本自動車車体補修協会(JARWA、吉野一代表理事)が「自動車修理〝見える化〟認定制度」をつくる。あいおいニッセイ同和損害保険の要請がきっかけだ。JARWAは車体整備に必須な情報を自動車メーカーや溶接機メーカーが共有するため2014年にできた一般社団法人。工場の認定制度は事業者団体や損害保険各社が運営しているが、利害関係のない団体が運営するのは珍しい。近年、整備業界で相次ぐ不適切な点検や車検、ビッグモーター(現BALM)による保険金の不正請求などを踏まえ、車体整備業界の信頼回復を目指す。

技術力のほか、透明性の高い顧客対応やESG(環境・社会・企業統治)経営能力などを審査し、ランク付けしてウェブサイトで公開する。

具体的には、①車体整備/分解整備②顧客対応③ESG経営─の視点で審査する。審査項目は、国土交通省の「車体整備の消費者に対する透明性確保に向けたガイドライン」や、消費者庁の「企業不祥事における内部通報制度の実効性に関する調査・分析」などに準拠する。企業の法令順守などを支援する、中小企業個人情報セキュリティー推進協会(田中勇一代表理事)による「ESGマーク認証制度」も取り入れる。

①では、自動車機械工具や人員、入手可能な整備要領書などを審査し、整備の基本となる認証要件や修理可能な自動車メーカー・車種の明確化を求めていく。②は修理の見積もり、入庫から納車前までの各工程で、画像を用いるなどして顧客に説明を尽くすかどうかや、従業員が不正行為を相談・通報できる制度の運用などを求める。顧客満足(CS)の向上につながるアンケートの実施や改善体制なども含め、総合的な顧客対応力を審査する。

整備工場が申し込み後に試験運用を行い、一定の基準に達した段階で本審査に移行する。整備と顧客対応の2項目で一定基準に達すると「Aランク」、さらにESGマーク認証を取得すると「Sランク」を付与する。評価は更新制とする。申請中の工場にはJARWAが改善支援も行う。

具体的な申込方法や申請資格、審査プロセス、認定料金は今後詰め、7月から運用を始める。あいおいニッセイ同和損保も同社のネットワークに加入する工場に認定の取得を推奨していく。

※日刊自動車新聞2024年(令和6年)5月10日号より