内閣府は7日、「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)自動運転」のシンポジウムと成果展示会を都内で開いた。2014年以降の「第1期」「第2期」における成果を披露したほか、来年度からの「第3期」に向け、取り組むべき課題などを共有した。会期は8日まで。
SIP自動運転は、産官学で自動運転の普及を目指す国家プロジェクトとして14年に立ち上がった。第1期では主に自動運転に必要な技術やデータの協調領域に取り組み、第2期では第1期の成果をどう社会に実装していくかに重きを置いた。
シンポジウムでは、これまでの成果に加え、海外の開発動向やレベル4(高度自動運転)以上の導入に向けた実証事例などが紹介された。
SIP自動運転の創成期に携わった国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構の久間和生理事長は、「SIPは、セキュリティーやシミュレーションといった各社で成果を共有できる『協調領域』と、車載カメラの認識性能や操作性など競争力につながる『競争領域』を明確にできた」と振り返った。有本建男SIP自動運転サブプログラムディレクターは、データの属性や必要性を把握したうえで戦略的に収集することが重要との認識を示し「価値のあるデータは高い値段で売買できるようにすることでデータが集まりやすくなる」と語った。
※日刊自動車新聞2023年(令和5年)3月8日号より