全職種が一つ部屋で業務
ホンダ四輪販売関東中央(菅野浩嗣社長)は、2019年10月メーカー系3社が合併し誕生、新潟・群馬・山梨・長野の4県にネットワークを展開する広域ディーラーだ。「わたしたちは全てのお客様の満足のために安全・安心・快適なカーライフを提供し地域社会から存在を期待される企業となる」を社是とし従業員満足(ES)に努め、20年3月経済産業省「健康経営優良法人」に認定された。
こうした中、社内で注目を集めるのがホンダカーズ山梨甲府店の取り組みだ。業績よりも従業員の甲斐性やモチベーションを重要視。萩原慶太店長は「顧客満足(CS)を生み出すのは、ESあっての拠点。従業員の時間管理をしグレーな時間を作らず定時退社を目指す」とかじを取る。
店舗は敷地9900平方㍍、建物も大きく従業員37人の大所帯だけに「工場とショールームの距離感や同僚と顔が見えない関係が起きていた。他拠点の2、3倍は間違いなく動くため、動線の短縮と効率を考え管理職も営業もサービスもワンフロアで仕事をしよう」と全職種が一つ部屋で業務を行うようになった。
また「数字に表れない目に見えない仕事はたくさん起きている。その中で誰かが素晴らしい業績を創意工夫のもとに発揮したとか、社員間の思いやりのある言動や行動に賛辞を贈ろう」と互いが感謝し称え合う「拠点MVP賞」を毎週実施することに徹した。
「今後はレクリエーションや食事会の機会を、大規模店だからこそ作りたい」と構想する一方、業界は専門知識も求められ「OJTとか教育は少人数の方がより密な指導、スピーディーな助言ができる」とし営業13人を4つに分けたチーム制を敷きベテランと若手に師弟関係を結んでもらう。こうした取り組みが奏功し社員の表情も明るく働きやすくなったといわれ従業員満足も向上、同社は甲府店の取り組みを水平展開するなど、さらなるES向上を図る。
※日刊自動車新聞2020年(令和2年)6月23日号より