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自動車業界コラム

レース体験で成長後押し
東京スバル(栗原宏樹社長)は国内外のモータースポーツにメカニックを派遣し、通常の業務だけでは味わうことのできない貴重な体験機会を提供することで、メカニックのモチベーション向上に役立てている。
同社が毎年レースメカニックを派遣しているのは、ワンメイクレースの「86/BRZレース」や「全日本ラリー選手権」。世界大会となる「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」もその一つで、参戦するためにはより厳しい条件が求められる。
 高島平店のメカニック長澤慎馬さんは、スバル検定や勤続年数など出場に必要な条件を全てクリアした上で、選考会を経て、2020年9月に開催予定の「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」に出場することが決まった。
子どもの頃は、F1などの中継でもレース模様よりピット作業に夢中になったという。しかし、モータースポーツは身近なものではなく、「自分が将来ピットに入れることなど想像もできなかった」と当時を振り返る。
就職活動時、東京スバルがレースメカニックの派遣を積極的に行っていることを知り、企業選びの決め手になったという。入社当時に尊敬するスゴ腕の上司が「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」の参戦経験者だったこともあり、「相当努力しなければ自分には届かない」と、日々技術の研さんに励んだ。入社9年目の今年、長澤さんはついに〝夢の舞台〟に挑戦する。「誰もができることではないので、楽しんできます」と胸を張る。
日々の業務でスキルアップは重要だ。その中でも「条件をクリアすれば憧れのレースに参戦できるかもしれない」という目標が、メカニックの成長を後押ししている。

※日刊自動車新聞2020年(令和2年)6月23日号より