ウエインズトヨタ神奈川(宮原漢二社長)は、eモータースポーツを活用したレーサーの育成に力を注ぐ。2019年より「GRガレージトレッサ横浜」にグランツーリスモの筐体を4基常設し、ドライビングテクニックの習得を目指す「育成メンバー」をサポートしている。
育成メンバーの指導に当たるのは、16年にグランツーリスモの世界大会で優勝し、18年より実車レースに進出した冨林勇佑選手(写真下)。現在はスーパーGTやスーパー耐久シリーズなどに参戦し活躍中のプロレーサーだ。同社は22年より冨林選手とモータースポーツアンバサダー契約を結び、モータースポーツへの取り組みを強化した。
現在、小学生から社会人までの10人ほどがオンラインで集まりタイムトライアルなどで練習している。メンバーの一人は「プロのレーサーに教わることができるのは夢のよう」と目を輝かせる。また、既にカートレースに参戦していて「スキルアップのためにeモータースポーツを取り入れた」メンバーなどさまざまだ。冨林選手が主にアドバイスするのは、レースの組み立て方やメンタル面という。メンバーが将来的に実車レースへの関心を高めた場合、レース参戦などをサポートする考えで、冨林選手は育成メンバーの将来の相談にも応じる。
同社は、安全が約束されたバーチャルな環境下で、運転免許を持たない子どもの頃からクルマを操る面白さを知り、安全運転の技術習得にもつながるeモータースポーツの可能性は大きいと見ている。同社は今秋、国内最大級のeモータースポーツ大会への参戦が決まっており、ドライバーの育成を含めた準備を進めている。
※日刊自動車新聞2023年(令和5年)7月28日号より