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経済同友会 ライドシェア解禁を提言 都市部の通勤時間帯限定 タクシー業界反発必至

経済同友会は、現在原則禁止されている自家用車による有償旅客運送「白タク」や「ライドシェア」(相乗り)について、都市部の通勤時間帯などで限定的に解禁すべきとする規制・制度改革委育会(委員長=間下直晃ブイキューブ取締役社長CEO)の政策提言を公表した。白タク行為・ライドシェアについては、タクシー業界が反対姿勢を一貫して示しており、今回の提言は業界の猛反発を招く可能性がある。

米国などではライドシェアが一気に普及した

22日に公表した「『日本版ライドシェア』の速やかな実現を求める」と題した提言では、高齢者の運転免許自主返納の進行などで公共交通機関の重要性が高まっていると指摘。一方で、地方を中心にバス路線の廃止が見られ、タクシーは配車サービス導入で利便性が向上しているものの、時間帯や天候によって需要が増えるタイミングで供給が追い付かずスムーズに配車できないことが多く、既存ドライバーの高齢化や訪日外国人の増加でタクシーの需給ひっ迫が見込まれるとしている。このため①都市部では一時的にタクシー需要が増大する通勤時間帯(例=午前7~9時)や悪天候時など②恒常的にタクシーが不足している地方都市などでは需給バランスを崩さない範囲―での解禁を提言している。

具体的には、いずれの場合もタクシー会社による配車アプリの利用を前提とし、運転手と利用者による相互評価制度の導入を義務付ける。タクシー会社が運行管理を行うことに加え、総合評価制度や顔認証制度などの導入により、利用者の安心・安全を担保する。運行データは国に提供し、道路整備やイノベーション創出といった施策に反映させるなどとしている。

ライドシェア解禁をめぐっては、楽天の三木谷浩史会長兼社長が代表理事を務める新経済連盟が2018年5月に「ライドシェア新法」を国土交通相、経済産業相らに提案。ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は18年夏に開いた「ソフトバンクワールド」の講演で「日本はライドシェアを法律で禁止している。こんなばかな国がいまだにあるということが信じられない」と厳しく批判したことがある。

※日刊自動車新聞2020年(令和2年)1月24日号より