インターネットでつながるクルマのことです。クルマ同士やクルマと道路、クルマと人がつながることで、これまでにはなかった新しい付加価値を生み出すことができます。
今、自動車産業は「100年に1度の大変革期」に直面しています。CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)に代表される変化のうねりが押し寄せているのです。コネクテッドカーは「C」に当たります。
コネクテッドカーによって実現できる機能は多岐にわたります。まず期待されているのは交通事故の削減です。例えば、クルマ同士がつながることで、お互いの位置や車両の状態を把握でき、見通しの悪い交差点などでは出合い頭の事故を防ぐことができるでしょう。また、前走車と連動してブレーキをかけることも可能になり、追突事故の防止にも役立ちます。
インターネットでつながったクルマは渋滞や事故といった道路状況をリアルタイムに把握するセンサーの役割も果たすため、CASE時代の安全な交通社会づくりにも寄与することでしょう。
また、コネクテッド化は車両自体の性能や安全性維持などにも貢献します。車載センサーがクルマの故障を未然に検知し、その車両情報を自動車メーカーや販売店に知らせることが可能になっているからです。
通信を使って車両ソフトウエアをアップデートすることもできるようになります。いわゆる「OTA(over the air) 」と言われるものです。不具合の修理だけでなく、性能や機能を更新できることもコネクテッドカーならではの特徴と言えます。
利便性が高まる一方、ネットにつながることによる危険性もあります。ハッキングされる可能性も否定できないため、万全のセキュリティーシステムを構築することが必要です。
自動運転社会の到来を見据え、コネクテッドカーは今後も普及が加速すると見られます。人工知能(AI)の搭載も進むでしょう。
※日刊自動車新聞2020年(令和2年)5月19日号より