自動車に関する保険には、自賠責保険と任意保険(自動車保険)があります。自賠責保険は、事故などが発生した際の被害者の救済を目的とした対人補償で、自動車に対し加入の義務があります。未加入で公道を走行すると、法律による処罰の対象となります。
ユーザーが必要に応じて加入するのが自動車保険です。自賠責保険で補償できない部分のカバーが可能です。事故を起こしてしまった際、人や物に対する損害を補う対人・対物賠償、自車に乗っていた人へ補償を提供する搭乗者傷害、車両の修繕費や盗難などを補償する車両保険など、内容は多岐にわたります。業界団体である日本損害保険協会の2018年度統計では、自動車保険の「正味収入保険料」(一般企業の売り上げ高に当たる)は全体の約5割を占めており、損保会社の収益を支える事業となっています。そのため各社は、商品開発や販売促進に力を入れています。
自動車保険に加入する際は、代理店型とダイレクト(通販)型から選択できます。代理店型は、代理人を通じて保険会社と契約を結ぶ方式で、対人ならではの細やかなサポートが期待できます。ダイレクト型は、インターネットなどを利用して直接、保険会社と契約を結びます。代理人を介さないため費用を抑えられますが、契約に際してどのような補償が必要なのかを明確にしておく必要があります。
自家用車として任意保険を契約する場合の保険料は、1~20の等級制度で決定され、数字が大きくなるほど料金の割引率が高くなります。初めて保険を契約すると6等級が適用され、1年間無事故で1つ等級がアップして7等級となります。事故を起こすと3等級のダウンで、翌年の保険料が上昇します。
近年では衝突被害軽減ブレーキを装着したクルマに対する保険料割引き制度やドライブレコーダーと連携したサービスも提供されており、自動車の進化とともに新たな保険商品が登場しています。