タイヤやオイル、バッテリーをはじめとする消耗品、カーナビゲーションやETCといったオーディオ関連商品など、カー用品の種類は多種多様です。車をきれいにするシャンプーやワックス、ボディーコーティングは洗車用品の代表例。エンジンなどのコンディションを維持する添加剤はケミカル用品で、ほかにも、スマートフォンの充電器や香水などの車内アクセサリー、カスタマイズ(合法改造)パーツなど幅広い商品がラインアップされています。
昨今はあおり運転や高齢ドライバーによる事故が多発していることを背景に、ドライブレコーダーや踏み間違い時加速抑制装置も、安全で安心な運転をサポートするカー用品として認知度が高まっている状況です。
販路も多岐にわたります。カー用品専門店やカーディーラー、ホームセンターだけでなく、ガソリンスタンド、整備工場などでも販売しており、近年はインターネット通販も増えています。
市場規模は4千億円程度で推移しています。業界団体の自動車用品小売業協会によると2018年度の用品売上高は前年度比0.2%減の4006億4183万円でした。前年実績を下回るのは4年ぶりです。昨年10月の消費増税後からマイナス基調が続いていた中、さらにコロナ禍による来店客減や販促活動の自粛が市場に影響しました。
自動車産業が直面するCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)やMaaS(サービスとしてのモビリティ)という新しい潮流はカー用品業界にも押し寄せています。大手アクセサリーメーカーはIoT(モノのインターネット)化を進める計画を掲げました。車とカー用品、クラウドをつなぐ車載ユニットを開発。カー用品をコネクテッド化するだけでなく、車両状態や消耗品などの遠隔管理にも応用する方針です。
少子高齢化や新車需要の縮小などを背景に、用品売り上げは減少するとの見方があります。ただ、一方で車内空間の自由度が増す自動運転車が普及する社会においては、カー用品市場の活性化を期待する声も少なくありません。