国内の新車販売台数は、2019年度まで概ね500万台を超える水準で推移しました。しかし、20年度は465万6632台となり、前年度と比べ7.6%減少しました。新型コロナウイルス感染症の拡大による政府の緊急事態宣言発令などによって、経済活動が停滞したことが響きました。
国内の四輪車を大きくわけると、登録車と軽自動車の2つになります。新車販売では3分の2を登録車が占めています。20年度の登録車販売台数は前年度比8.9%減の289万8884台でした。これをブランド別に見ると、トヨタが半数を占めました。
軽自動車は、エンジン排気量が660cc以下など日本の独自規格を採用した車です。20年度の新車販売は同5.3%減の175万7748台でした。
新車の売れ筋は毎年変わっています。20年度の車名別新車販売台数ランキングをみると、トヨタ自動車の小型車「ヤリス」が初めてトップになりました。登録車と軽自動車を合わせた総合ランキングで登録車が1位になるのは4年ぶりです。ただ2~4位は軽自動車が名を連ねました。
軽自動車では背を高くして室内空間を広げた「スーパーハイトワゴン」と言われる車種の人気が続いています。登録車ではSUVの販売が伸びており、20年度は前年を2割上回る約66万台となり好調でした。
国内は今後、少子高齢化にともなう人口減少によって、あらゆるモノやサービスの需要縮小が避けられないと言われています。自動車も同様です。自動車販売店の業界団体である日本自動車販売協会連合会(自販連)がまとめた「ディーラービジョン2019年版」では35年度に国内新車販売台数が400万台を下回るという見通しを示しました。
自動車販売業界はこうした状況のため、個人に車を「所有」してもらうことが前提だった従来ビジネスからの転換に迫られており、新しい収益源を模索しています。
※日刊自動車新聞2021年(令和3年)4月28日号より