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よくわかる自動車業界

連載 自動車業界入門 ⑨輸入車市場

輸入車には、海外自動車メーカー製の車両「外国メーカー車」と、日系メーカーが海外生産する車両「国内メーカー車」があります。

このうち外国メーカー車の新車販売台数は、2017、18年に2年連続して30万台を超え拡大基調にありました。しかし20年には前年比14.5%減の25万6096台にとどまり、消費増税の影響で落ち込んだ19年に続き減少。2年連続して30万台を割りました。20年の減少は、コロナ禍で1回目の「緊急事態宣言」が発令された昨年4月以降に販売活動が停滞したためです。

20年の外国メーカー車のブランド別台数は、メルセデス・ベンツが6257台で6年連続のトップ。2位はBMW、3位はフォルクスワーゲン、4位はアウディでした。

モデル別では、BMWミニの「ミニ」が5年連続1位。SUVタイプなど豊富なラインアップを揃えたことで首位を堅持しました。

暦年ブランド別販売台数で6年連続トップを獲得したメルセデス・ベンツの新型「Sクラス」

輸入車業界では、政府が打ち出した「50年のカーボンニュートラル達成」に向けて取り組みが活発化。インポーター各社が電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)など「次世代電動車」の投入に力を入れます。今年に入りEVではアウディが「イートロンGT」、メルセデス・ベンツが「EQA」をそれぞれ発表しました。ポルシェやマクラーレンといったスポーツカーブランドの電動車も登場しています。

現状でEVは価格が割高です。しかし、個性的な高級モデルを求める顧客が多い輸入車ではEVのニーズを見込めるため、各社の積極的な投入がみられます。

次世代電動車では、インポーター各社が連携して普及活動を進めています。インポーターが加盟する業界団体の日本自動車輸入組合(JAIA)は、4月から「輸入電動車普及促進プロジェクト」をスタートしました。展示イベントや試乗キャンペーンを展開し、輸入電動車のアピールと普及を目指します。

※日刊自動車新聞2021年(令和3年)4月30日号より