2020年度(20年4月~21年3月)の普通トラック(積載量4㌧超)の新車販売台数は、前年度比6.5%減の8万5868台となり、3年ぶりに減少しました。新型コロナウイルス感染症の影響で需要が低迷したことが要因です。国内のトラック市場はここ数年、東京オリンピック・パラリンピック向けのインフラ投資などで販売が好調でしたが、コロナ禍で国内市場の目安の9万台を割り込みました。
トラックは積載量に応じて小型車、中型車、大型車に分類されます。このうち、中型以上が普通トラックになります。トラックの多くは荷台部分を架装メーカーが製作し、運搬に必要なさまざまな機能を付加しています。
国内大型車メーカーはいすゞ自動車、日野自動車、三菱ふそうトラック・バス、UDトラックスの4社があります。日野はトヨタ自動車の子会社、三菱ふそうは独ダイムラートラックの子会社で、UDはいすゞの傘下にあります。
トラック輸送業界は今、深刻なドライバー不足に直面しています。日本自動車工業会(豊田章男会長)の20年度普通トラック市場動向調査によると、事業者の半数以上がドライバーの不足と高齢化を業務の問題点に挙げています。
トラックメーカー各社は、問題解決に向けて取り組みを進めています。その代表例が稼働の効率化です。現在、トラックの荷物の積載率は50%を切ると言われています。より効率的なトラックの稼働を実現しようと、国内市場の8割を占める日野といすゞが手を組み、車両データなどを活用したサービス基盤を構築する方針を固めました。
自動運転技術がドライバー不足を解消する方策として期待されています。高速道路上で前走車に自動で追従する「隊列走行」の実現に向けて、国内トラックメーカー4社が共同で実証実験を行い、実用化を目指しています。
※日刊自動車新聞2021年(令和3年)5月19日号より