UDトラックスは、1935年に創立した日本デイゼル工業を源流とするトラックメーカーです。53年に日産自動車が資本参加し、60年には社名を「民生デイゼル工業」から「日産ディーゼル工業」に変更しました。その後、日産などの株式譲渡を経て2007年からボルボ・グループに入り、10年には社名が「UDトラックス」になりました。そして21年4月には、いすゞ自動車とボルボ・グループの提携に伴い、いすゞ傘下に入りました。

社名のUDは、同社が1955年に実用化した2サイクルディーゼルエンジン「ユニフロー・ディーゼル」に由来します。UDエンジン搭載車が高性能なことをアピールするため、「UD」マークを国際商標としトラックなどの車体につけました。こうしてUDは同社のブランドシンボルおよび通称となり、現在は社名となりました。

 本社のある上尾工場(埼玉県上尾市)では、大型トラック「クオン」を生産しています。中型トラックは三菱ふそうトラック・バスから、小型トラックはいすゞからそれぞれOEM(相手先ブランドによる生産)調達しています。

次世代技術の開発では、ロードマップ「風神雷神-ビジョン2030」を策定しました。30年までに完全自動運転と「大型フル電動トラック」の量産化の実現を目指しています。自動化の取り組みは、ものを動かす力を象徴する風の神「風神」、また電動化の取り組みは電気エネルギーの力を象徴する雷の神「雷神」から着想を得ています。

自動化や電動化と合わせて、コネクテッドカーにも力を入れています。06年に顧客の稼働率向上、運行管理の支援に向けてコネクテッドサービスをはじめ、現在までに国内外で約5万台の利用を獲得しました。25年までに15万台に増やす目標を掲げています。集めた走行データなどは、今後の技術革新にも役立てていきます。