神奈川県内を中心に輸入車ディーラーなどを展開するニコル・グループは、２０２１年１０月、さらなる成長を目指し米国の国際的な輸送サービス会社ペンスキー・オートモーティブ・グループ（ＰＡＧ）の傘下に入った。ミヒャエル新社長による新体制のもと、新たなスタートを切った同グループで、ＢＭＷ・ＭＩＮＩの正規ディーラーを運営するニコル・カーズは、グループの成長戦略を背景に２２年７月、東京エリアへ初進出し「Ｎｉｃｏｌｅ　ＢＭＷ大田支店」をオープン。店舗網の拡大や対応力強化を狙い、優秀な人材獲得に向けた新たな求人施策に打って出た。

まず、新卒２３年入社のテクニシャン（自動車整備士資格２級以上保持）を対象に、授業料を最大２４０万円補助する。同社での勤務年数などのしばりはなく、入社３カ月後から約３年にわたり月次給与に上乗せする形で支給する。グループのコーポレート機能を担うニコル・レーシング・ジャパンの長田洋人事総務本部長は「奨学金を返済するまで一人暮らしをできないケースが多い」ことを指摘し、同施策は自活を促すことにもつなげたいとする。

また、テクニシャン（同資格保持）、サービス・アドバイザー、セールス・コンサルタントで、業務経験４年以上の中途入社社員へは、「入社お祝い金」として１５０万円を、３回に分け賞与として支払う。同施策は既にスタートしており、即戦力となる人員増につなげている。

さらに、在籍するすべてのテクニシャンを対象に、整備用工具などのツール購入代金を年間最大３万円まで補助する。整備用ツールは会社が全て貸与するものの、道具にこだわりを持ち自費で購入するテクニシャンも少なくない。ＰＡＧ傘下のディーラーで評判の高い同施策を横展開した。グローバルメリットを生

かし、従業員満足度（ＥＳ）向上にもつなげたい考えだ。

長田本部長は「当社が求めるのは、夢を持っている人」と言い切る。「その夢を叶えるための手段が会社。仕事への目標を掲げ、その実現にやりがいを感じられる人に入社してほしい」と同社が求める人物像について話す。同社には、全国でトップ１０入りするセールス・コンサルタントや、ＢＭＷ認定資格の最高位「マイスター」が１４人在籍するなど、優秀な人材が多い。そうしたトップクラスの仲間を身近に感じられる職場環境があり、自身のスキルアップを目指せる点も大きな魅力だ。