ずば抜けた記憶力と観察力で拠点のスタッフからの信頼度は絶大だ。すべての来店客に関心を持ち、来店時の雰囲気、表情や視線の先など、どんなにささいなことも見逃さない。初めて来店した顧客以外は、すべて名前で呼び、前回来店のお礼を伝える。高木主任にとって、一度来店した顧客はすべて「既納客」という対応だ。顧客からしたら実に居心地の良い販売店になる。
高木主任は、来店客のあらゆる情報を前日にチェックする念の入れようだ。前回の来店で「あんなことがあった」「あんなことをおっしゃっていた」が走馬灯のように記憶としてよみがえるという。マイネッツ熊谷の坂本晃章店長は「顧客の名前と顔は忘れない。誰が担当ということもしっかりと頭に入っている。前日に来店客の目的や用件を確認しているので、お客さまが来店した時に担当者の手が塞がっている際は、本当に助かる」などと全幅の信頼を寄せる。
顧客が予告なしに書類を届けに来た時は一目で分かるという。すぐに声を掛け、「○○は終わっています」「○○はご用意できています」を伝えるのを忘れない。とっさに言えるものではなく、教えて出来るものでもない。日ごろから各スタッフの業務の進捗状況を把握しているから可能なのだ。こうした対応は、「このお店に任せて良かった」という安心感と満足感につながり、営業や整備士にとってまさに「頼りになる存在」なのだ。
また、新規の来店客にも卒が無い。まずは顔と特長を覚え、来店時の車種をチェック。同行者がいればそのことも合わせ、知り得る情報をすべて集める。その上で、後につなげるのが店長なのか、営業なのか、はたまたフロントなのかを判断するという。