ホンダカーズ中央神奈川の座間西店は、四季折々の可愛らしいイラストが子ども連れを楽しませている。梅雨のこの時期は、傘を差したカエルが主役だ。こうした飾りつけを担当するのは、自動車ディーラーでは珍しい芸術学科卒の遠藤さん。特技を生かし、アットフォームな雰囲気づくりで店舗に貢献する。
美術の教員を目指し、芸術学科に進んだ。しかし、自動車ディーラーで働いた経験のある母親から「楽しい仕事だよ」という話を聞き、同じ道で頑張ってみようと決めた。
最初に配属された店舗から異動する際、ユーザーから「頑張っている姿を見ていたから寂しくなるよ」と声をかけられたことがあった。「話したことがなかったので驚きましたが、嬉しかったです」と笑みがこぼれる。小さなことでも、一人ひとりに合った接客を心がけている遠藤さんの仕事ぶりは、ユーザーからも好評だ。
「美術を生かせる職場」とは異なる就職だったが、今年、神奈川県自動車ディーラー交通安全対策推進協議会創設30周年を記念して実施した「交通安全ポスターコンテスト」に応募し、最優秀賞に輝いた。iPadを使って描いた作品で、信号のない横断歩道での一時停止を呼びかけている。「自分もクルマが好きなので、安全運転でクルマの楽しさを知ってもらいたい」と交通安全への思いを話す。
遠藤さんの作品は、秋の県内交通安全運動でポスターとして活用される。店舗に訪れたユーザーと、作品を巡って会話が弾みそうだ。