埼玉ダイハツ(田中英穂社長)では2021年11月、各拠点の女性スタッフ「カスタマー・アテンダント」(CA)が職域を広げると同時に、やりがいを求めて集まった。それが社内のプロジェクトチーム「CA向上委員会」だ。会社も全面的な支援を決めた。
メンバーは、将来人材育成グループの佐々木美沙係長をリーダーに、人材育成や仕事に対する姿勢で有能なメンバーで構成している。当初は木村(恵)さん、木村(美)さん、黒田さん、髙橋さん、松岡さん、柳澤さんの7人でスタートし、22年春に荻野さんが加わり、半谷さんも参加への意欲を示した。
彼女たちは自らCAの事務職的イメージを払拭して「自分の可能性をもっと広げたい」「顧客が気軽に相談できる役割を担えないか」で気持ちを一つにする。定期的にミーティングを開催し、さまざまなアイデアを出し合いながら取り組んでいる。話し合いには社長や取締役が同席し、スピード感ある改革を目指した。これまでに進める案件は、コンプライアンスから業務効率化、CS(顧客満足)向上、CAのステップアップ制度と多岐にわたる。話し合いの中から互いに教え合い、学び合う効果が生まれ、いつしか業務の質が向上していった。
同社の来店客は8割近くを女性が占める。彼女たちは「同性だからできることや気遣いがある。一方で遠慮していた部分があった。皆で話し合う中から、一歩前に踏み込んで仕事に向き合うという気持ちになった」と口をそろえる。幹部からは「彼女たちはお店の中のお客さまやスタッフの動きをよく見ている。コントローラー的な存在になってもらえれば」と大きな期待を寄せる。