中日本自動車短期大学(山田弘幸学長)は、来年地元で開催予定のFIA世界ラリー選手権(WRC)ラリージャパン2021年大会への出場を目指す「NACラリーチャレンジプロジェクト」を立ち上げた。学生らが主体となって競技車両を制作し、本番でもメカニックや一部ドライバーとしてモータースポーツに携わる。全課程の学生から集まった約20人と教員が力を合わせ、OBもサポートに尽力する。全学が一丸となって打ち込む姿は、同学初となるラリープロジェクトへの期待感の表れだろう。
モータースポーツイベントへの参加は、学生らにとって様々な力を培うことができる実践的な学びの場だ。メカニックとしての技術はもちろん、自己管理の力、企画を立案してやり遂げる力、臨機応変に対応する力など座学と普段の実習だけでは得られない能力が身に着く。ハイレベルなラリーに挑戦することで学ぶ意欲をさらに刺激し、楽しみながら成長を促すのが目的だ。当初参加を予定していたWRCの20年大会は新型コロナウイルスの影響で中止となってしまったが、まずは参加できる大会で地道に力を付ける。
初陣となったのはオートパーク今庄(福井県南条郡南越前町)で9月20日に行われたダート耐久レース。21チーム中17位、完走で初戦を終えた。同レース用に調整したトヨタ「ヴィッツ」で挑んだ。
同車と並行し国内ラリーにはスバル「BRZ」の整備を開始した。メンバー全員で試行錯誤しながらクルマの調整を行い、来たる大舞台への出場を目標として日々研鑽を積んでいる。
※日刊自動車新聞2020年(令和2年)10月29日号より