物静かな話しぶりから穏やかな人柄が伝わる。ボルボ車の整備に携わって今年で18年。メカニック人生の大半をボルボ一筋で歩んできた。
ボルボ・カー鎌倉は2020年9月に全面新築した。サービス工場も一新され、最新の工場に生まれ変わった。本人は「ようやく使いこなせるようになりました」と笑うが、仕事のしやすさは格段に向上したようだ。
点検と故障診断が主な仕事だ。高度化する電子制御システムを相手に故障原因を探り当てるのが松浦さんの役目だ。「不安になっているお客さまを早く安心させるためにも、できるだけ一発修理で仕上げられるよう意識しています」と話す。
松浦さんがメカニックとして心がけているのが「お客さまのクルマの状態をしっかり見抜くこと」だ。いまは問題がなくても、この先に交換が必要になる部品をしっかりと見極め、予防整備につなげることだ。
現状を見積書にまとめ、お客さまに次の車検までどの程度の費用がかかりそうかを提案する。「事前にこれをやるかやらないかで大きな差が出ます。お客さまも安心できますから『あの時いってくれたら』ということがなくなります。見積もりの内容によっては代替のきっかけにもなります」と話す。
こうした提案は昨年配属された新人にも勧めている。本人は「縁の下のサポート役です」と控え目だが、ボルボ車を知り尽くしたベテランメカとして、まさに頼られる存在だ。