車検館の西東京田無店で検査員・メカニックとして働く塩野太三さんは、子どものころから工具をおもちゃにして遊ぶほどの工具好き。最も古い記憶では、4歳ころにスパナやメガネレンチに興味を持っていたという。自動車整備の道に進むきっかけは、兄がバイクの免許を取得したこと。バイクのカッコ良さに憧れ、その延長線上に工具が好きだったことや、好きなことを仕事にしたいという思いがつながった。専門学校卒業後は、重機関連の会社を経て、車検館に入社した。「いろいろなメーカーの車の整備ができること」「挑戦できることが多そう」な点に魅力を感じたという。
仕事をするうえで心掛けているのは、初歩的なミスをしないこと。自動車整備の現場では、一つのミスが大きなトラブルにつながることや人の命に関わる可能性もある。だからこそ、年数や経験を重ねても「基本的な作業は丁寧に行い、曖昧さをなくす作業」を重視する。
また、顧客の要望にできる限り応えることも大事にしている。入庫車両の中には、車齢が長期化しているものも少なくない。「それぞれの車齢に合わせて、『一つの傾向として今後こういったトラブルが起きる可能性があります』ということを伝える」。そのうえで今回交換したほうが良い部品、次回でも良い部品など「中身のある説明をしっかりとし、見積もりを提示する」ことで顧客からの信頼は増すことを実感している。
重視しているのはコミュニケーションの取り方。社内、顧客ともに、「相手が求めていること、困りごとなどをできるだけ理解したい」との思いから、声の掛け方や話し方など工夫を凝らす。その結果として「お客さまから信頼されるお店になればうれしい」と考えている。