ホンダ車の整備に携わって20年を超える。卓越した技術力、豊富な知識と経験で社内外からの信頼は厚い。一見、物静かで寡黙(かもく)な印象だが、他人の意見や話を親身になって聴く姿勢が多くの顧客の心をつかんだ。自分の仕事は「お客さまの悩みや心配をしっかりと受け止め、それに伴う修理内容や点検箇所を現場に的確かつ分かりやすく伝えること」と語る。サービス入庫台数を増やし続けるホンダカーズ埼玉中において、表面には出ることは少ないが、フロントの要としての貢献度は限りなく高い。
健康や病気に不安を抱える患者にとって、かかりつけ医の声は安心感を与える。同様に、築野課長はメカニックとして、顧客の愛車を常に万全な状態で乗ってもらうことに全力を注ぐ。「預かった大切なクルマだからこそ、顧客の要望や期待以上に仕上げるのがプロの仕事であり、それがお客さまの満足につながると思って日々の仕事に向かい合っている」という言葉には、責任感と優しさが感じられる。
一方、後進の指導にも注力する。「当社では若い人材が増えている。彼らに(整備の)作業の手順や意味、理由を理解してもらうには、彼らの目線に合わせることが大切」とし、ここでも相手への配慮と優しさは欠かさない。また、「致命的な失敗でない限り、皆でカバーするからどん欲に挑戦してほしい」とエールを送る。「自分もそれなりに苦い経験をして今がある。失敗は本人の成長につながるはず」という言葉から人間味と温かさが伝わってくる。