日産東京販売桜新町店の安本翔さんはレースメカニックに憧れて自動車整備士を目指した。学生時代には1年間インターンシップとしてスーパーGTに帯同したこともある。「面白さや経験値は上がった」が、レース現場の過酷さや勤務時間、体力的負担など、厳しい側面を知る機会でもあったという。そのため、就職先はチャレンジできる環境とワークライフバランスが整っている同社に決めた。同社に「GT―R」などのチューニングや定期メンテナンスなどを手がける「モータースポーツ室」があったことも後押しした。
入社8年目を迎えた2021年、日産自動車と日産自動車大学校、KONDO RACING が共同で取り組む人財プロジェクト「日産メカニックチャレンジ」に参加した。「やりたいと思いながらも最初は少し葛藤もあった」と振り返る。しかし、参加してみるとインターンシップ時代の経験が大いに役立ち、改めて面白さを感じた。
働きがいを感じる瞬間は、自分の経験や知識が仕事に役立ったとき。例えば最近では重整備や架装などを任せられることも増えており「ばらしたエンジンを組み立てるときなど、専門学校時代に学んだ知識が生きていると感じた」と語る。さらに、経験が蓄積されつつあることで、複合的な知識・技術に重要さを感じることも増えている。
目下の目標は「NISSAN GT―R整備士」資格を取得すること。また、難解な故障診断時や不明点などがある場合に販売店のTSが問い合わせる「サービス部技術グループ」の役割にも興味が出てきた。「将来的に自分の経験や知識が役立つ場所があればうれしい」と考えている。