モータースポーツに憧れこの道へ進んだという青木健太さん。ネッツトヨタ神奈川で自動車整備士として腕を磨き、昨年からドリフト競技の最高峰「D1グランプリ」のサポートエンジニアとして活躍している。「ディーラーに就職しこのような形で夢を叶えられるとは思っていなかった」と話す表情からは、充実した社会人生活への満足感が覗く。
子どもの頃、家族で「スーパーGT」を観戦した。専門学校時代に同レースのメカニックを体験する機会を得て感じたことは、「面白いが仕事にするのは大変」という現実だった。レースメカニックの夢を諦め、教育体制に魅力を感じたネッツトヨタ神奈川に入社、資格取得などでも着実にステップアップを図り、先月には自動車検査員資格を取得した。
モータースポーツは観戦のみにとどめていた青木さんに、チャンスが訪れたのは2021年。ウエインズグループが3社の統合を控え、これまで横浜トヨペットで実施していたD1グランプリへエンジニアを派遣する取り組みが、グループ2社にも広がった。「自信はなかったがチャンスかもしれない」と応募し、奥伊吹大会への参加が叶った。「何をすればいいのか全くわからない」状況の中、自分から積極的に質問し仕事を見つけていったという。
通常の作業より時間制限が厳しいサポートエンジニアを経験し、「以前先輩から教わった6S(整理・整頓・清潔・清掃・躾・習慣)の大切さが腑に落ちた」という青木さん。6Sの実践とクルマの状況を正確に伝えるコミュニケーション力をさらに磨くことで、「お客さまの安全を守っていきたい」と力強く話す。