点検や車検整備を中心に、確実な整備で工場内の信頼を集める石川翔太さん。「仕事だからしっかりやり切る、それだけです」と淡々と話す。クルマが好きでエンジニアを目指したわけではないという石川さんは、社会人として強い責任感を持ち、知識やスキル向上に積極的に取り組んでいる。自動車整備士を〝職業〟として捉えているからこそ、プロとしての仕事が光る。

高校で進路について考えた時、「まず優先したのは安定性でした」と打ち明ける。クルマに特別興味があったわけではなかったが、クルマが人々の生活に欠かせないアイテムであることに着目し、自動車整備士を目指すことを決めた。石川さんの父が自動車ディーラーのエンジニアだったこともあり、「この仕事について知ることができたのは父のおかげ。自宅で教えてもらえる環境も心強かった」と振り返る。

専門学校では、資格手当など給与面でのメリットを考え、国家資格一級を取得できるコースを選択。スズキ自販神奈川に入社後も、スズキの資格取得に意欲的に取り組んでいる。職業として割り切って選んだ道だが、初めて挑戦する整備や、サビなどで傷んだクルマの修理をやり遂げた時は「達成感を得られてうれしかった」と胸を張る。

「仕事としてクルマを触る以上、知識や技術は高めていく必要があります」と、プロ意識がのぞく。アリーナあざみ野では、ユーザーへの整備説明もエンジニアの仕事の一つ。「スズキ車のマニアックな話題が上がった時などは、詳しい仲間が店舗にたくさんいるので助け合える環境です」とし、職場の仲の良さに触れた。