顧客から整備の依頼が直に寄せられるなど技術力、対話力に定評がある東村山店の古口和也さん。エンジニアを目指したのは、母親がクルマやバイクが好きだったのがきっかけで、「ほかに保育士も候補に挙げていた」という中、手作業が得意だったこともあり整備士の道を選んだ。
今年1月より「拠点トレーナー」に任命された。現場からの作業・技術相談を受ける役職で、これまで本社のサービス部が担当していた業務を、拠点トレーナーが担う。新たに設けられた部隊には、都内の主なエリアに1人ずつ計3人が第1期生として就任。東村山店以外では光が丘店、鹿浜店に在籍している。
普段は各拠点のサービス工場で整備をしながら、他店の現場スタッフからの問い合わせに応じている。問い合わせの多くは、「修理書に沿って作業を進めながら、最終的な確認の意味での相談が多い」という。電子制御のトラブルでは「電気の流れが分からないと対処できない」ため、「配線図を読めるように」と促している。
拠点トレーナーになるには技術と学科の試験があり、ダイハツ検定1級レベルの知識が求められる。トレーナーは月に1回本社に集まり、相談事例を共有し、店舗からの問い合わせに迅速対応できるようにしている。
ほかに古口さんは通常業務と並行し、母校である専門学校の日本工学院で講師を週1回務めている。ダイハツ東京として、昨年より非常勤講師を派遣しており、カリキュラムは学校から資料提供を受けるが、「自社の取り組みや、今まで経験した話を織り交ぜて学生が興味を持つよう工夫している」という。
これら幅広い担当をこなす中、「それぞれの場所で教わることが多い」とし、自身のさらなるスキルアップのためにも活動に力を注いでいる。