堀之内店の坂梨浩司さんは20歳の頃、「幼いときにプラモデルを作るのが好きだった」ことを思い起こし、それまで勤めていた飲食業から自動車整備業へ転身した。都内の整備工場で働きながら自動車整備士の資格を3級、2級、検査員と順当に取得。そして、25年間勤めた工場を辞め、車検館へ転職した。
きっかけは転職活動中に車検館の存在を知り、興味を持つようになり応募した。処遇や通勤時間、遠くへの転勤がないことなどの条件が合致したことが志望の理由だった。
車検館の仕事は、一般の町工場と比べ、クルマを整備すること自体は同じだが、作業スタイルがやや異なる。「スピード感があり、入庫台数も多い」と感じたという。そして「現車立ち合いで見積もり提示から始まり、車検に限らず整備や修理もお客さまの了解の上で作業を進めており、安心を提供できることは大きなメリットになる」と業態の特徴を捉えている。作業の透明性やユーザーに喜ばれることは、「働くメカニックとしてもやりがいにつながる」としている。
普段意識していることは、「整備をしっかり行うことはもちろん、その説明や対応が重要」だとし、「できるだけ安心してもらう」ために、例えば交換した部品を見せられるものは現物を提示し、納得いくように努めている。
メカニックの魅力は「車検やメンテナンスも大事だが、一番は故障を直して、喜ばれた時」と話す。今は部品をユニット交換し、バラすことができない設定が多いものの、修理や細かい調整を行いながら、「どんな故障事案でも直せる整備士になること」を目標としている。「まだまだ道のりは長い」と話し、研さんを積んで技術力と対応力の向上を目指している。
全メーカーの車両整備 幅広い層のスタッフが従事
車検館は、今年10月で業態が誕生してから22年になる。創業時より入庫台数をほぼ毎年増やし、「お客さまの約8割がリピーター」となるなど、多くの支持を集めている。成長を遂げた裏には、「車検館独自システム」の採用がある。「過度な提案はしない、信頼される仕組み」と、整備士の自主性を尊重し、ユーザーから直接感謝される〝主治医〟のように頼られる関係を築き、高い評価を得ている。
働く整備士としては、特定のメーカーに偏らずに「全メーカーのクルマ」が入庫し、整備することで「真の実力を身に付けることができる」ことがやりがいにつながっている。また、ベテランから新人まで、幅広い年齢層やさまざまな境遇の社員が集まっており、「職場の風通しが良く、コミュニケーションをとりやすい雰囲気」(同社スタッフ)であることも、働きやすく他へも自慢できるポイントといえる。